好きなペットを抱き上げて顔を近づけた時、顔を舐められた時、ペットの口の臭いが気になることはありませんか?
動物の口臭の原因は、大きく分けて下記の二つがあります
- 歯の隙間や舌などに付着した食べカスなどが放置されることにより発生する細菌が原因となる口腔口臭。
- 腸管から血液の中に吸収された腐敗臭(=メチルメルカプタン)が、肺に入り呼気となって口から吐き出される臭い。
また、人間と同じように、犬や猫の唾液にも抗菌作用を持つ成分が含まれており、口臭や歯周病の原因となる細菌の繁殖を防いでくれます。 唾液が正常に働いてくれる環境であれば、そこまできつい口臭は発生しません。 しかし、唾液が正常通り分泌されなかったり、口内に病気が発生したりすると、ペットの口から異臭が放たれます。
例えば、歯肉炎は犬より猫で一般的に発生します。

特に、屋外で生活している1歳未満の猫に多く発症します。
猫の場合、歯肉疾患の多くは感染したウイルスが原因となることが多く、ウイルスによってダメージを受けた歯肉に形成された歯周ポケットに細菌が増殖することが原因となります。
なんと3~4歳の成猫のおよそ85%の猫は、歯周病になっていると言われています。
人間と同様に、歯周病にかかった猫は、普通の猫よりも口臭強くなります。
最も大切なことは、やはり「プラーク・コントロール」です。
プラーク・コントロールとは、「歯周病の原因となるプラーク(歯垢)が歯の表面につかないようにブラッシングをすることで病原性のある細菌を除去し、その数を減らすこと」です。
やはり、人間と同じようにペットにも日常的に歯磨きをしてあげることが、口臭予防につながるのです。
ペットの体が大きく歯ブラシが大変な場合は、指サックや軍手を使って、歯あるいは歯茎の表面をこする方法でも多少口臭は改善されるでしょう。しかし、自己流の歯磨きだけではプラーク(歯垢)を完全に取り除くことは難しいので、定期的にペットの病院でスケーリング処置(スケーラーを使って歯垢、歯石の除去をする)を施すなどの対策を取るのが賢明です。多くの場合、ペットの口腔内の疾患は、症状が進行し口臭が気になりだすまで飼い主に気付かれません。特に、歯周病は「サイレント・アーミー(沈黙の病気)」とも呼ばれており、痛みなどの自覚症状が出にくく、放置しておくと全身疾患を引き起こすこともある恐い病気です。定期的な歯科検診と日頃のケアをしっかりしてあげることが、ペットの口臭を防ぎ、体を守ってあげることに繋がります。